2010年01月31日

米国の金融規制戦略:ボルガールール

金融規制案はボルガー・ルール


21日にオバマ政権が打ち出した金融規制案・通称「ボルガー・ルール」とウォール街では言っているが、先週、 名称もととなったボルカー国家経済回復諮問会議議長(長ったらしい肩書?)は「早ければ6カ月以内には成立」とコメントを述べていた。

オバマ氏が推進する金融規制案の後ろ盾となるボルガー・ルールには当初より「グラス・スティーガル法」と比較されるケースが多いですね。

グラス・スティーガル法【Glass Steagall Act】 とはご存知かと思いますが世界恐慌後の1933年に成立した米国の金融規制法で、簡潔に言うと「銀行業務と証券業務の厳格な分離を定めた法」 になります。

これにより、銀行業務と証券業務のファイア・ウォール(隔壁)が出来上がり、 いまみたいに銀行で金融商品を自由に扱えなくなってしまった銀行は銀行業務に専念し証券会社は自社の金融商品を扱いサービスに努めるようになっていったのでした。 二度と世界恐慌を起こさないようにと・・安全装置を国家で定めたのです。

しかし、80年代に入り米国の製造業は国際競争力が低下し、衰退し始めジャパン・バッシングが起こります。これは誰もが知っていますね。 日本の国力が絶頂期に差し掛かるころです。

危機感を覚えた米国政府は大掛かりな国家戦略として、封印していたファイア・ウォールを外し始めたのでした。 金融緩和を実施して米国はその後金融資本主義の時代に入っていきます。

いわゆる「金融大国アメリカ」を目指して国家戦略のかじ取りを変えていったのです。長年安全措置を務めたグラス・ スティーガル法は改正されてファイア・ウォール(隔壁)も緩いものになり、その後金融機関は独自の理論で金融工学を駆使して、様々な 「金融商品」を開発し、販売していくことになります。

そのごは周知の如く、国家が金融業への後押しをして巨大な金融機関も誕生しアメリカは世界一の金融大国に生まれ変わりました。でも、 その影響で二年前には「サブプライム問題」で世界経済がマヒし始めてリーマンショックも起きてしまい、いまの時世になったのです。


金融規制案のボルガー氏の発言


金融規制案の生みの親?(かも)ボルガー氏の直近の発言です。
※蛇足ですがボルガー氏は元FRB議長です

「メガバンクが市場活動に関わり過ぎになることを好まない。
ヘッジファンドはNO、未公開株ファンドはNO、
自己勘定のディーリングはNO、一次産品の売買もNO、
とにかくリスクの高い市場ビジネスを拡大してほしくない」


先日、オバマ氏が発言したように「銀行の自己勘定取引の禁止」と「HF:ヘッジファンドとPE:プライベート・エクィティへの投資禁止」 と同じことですね。

ボルガー氏はいまの金融規制に対して真っ向から否定しているのが、うかがわれますね。オバマ政権では「グラス・ スティーガル法の復活の意図はない」としていますが、
議会ではフランク米下院金融委員長などは「ゴールドマン・サックスは銀行免許返上の可能性」と銀行をけん制する発言も飛び交う始末で、 以前不透明さはぬぐえません。


歴史は繰り返される



ボスガー氏は次に「メガバンクの規模は小さくなるが、経営が悪化したときに、対処しやすくなる」と述べています。 日本でも先日JALが経営破たんしました。大きすぎる組織は潰せないのがどこの政府も頭を抱えていることで、 オバマ氏の頭の痛いところでしょう。民意の反感が積もり始めていますからね。

二度と世界恐慌を招きたくないと願って作ったアメリカの「グラス・スティーガル法」それを国家の生き残りをかけてファイア・ ウォールを緩めたアメリカ。いま再びボルガー・ルールによってファイア・ウォールの壁を作るアメリカ。

まさに、歴史は繰り返される様相です。

しかし、この米国の国家戦略大転換は「あまりにも壮大で大きなテーマ」なので時間はかかるでしょう。

私個人としては、先週から外国為替市場を観ていると中国は金融引き締め「預金準備率の引き上げ」や「新規融資1月分凍結」 などEU諸国からは米国の金融規制案の賛同など、矢継ぎ早にリンクし始めてきました。

NHKスペシャルではないけれど『金融資本主義の終焉』というのは時期尚早だと思いますが・・


反面、日本は相変わらず政治家の政治資金などでゴチャゴチャしていますが。何か、きな臭いものがかんじられます。 外国為替にかかわると国内の政治の問題がむなしく見えてきます。

世界は大きくかじ取りを変えようとしているときに国会内のヤジや金なんか、もう聞きたくもないです。

坂本竜馬じゃないけれども・・
『日本を今一度、洗濯いたし申し候』

だれか!おらんかえ?



posted by ヨシヒロ at 16:09 | Comment(0) | 外為取引【コラム「ひとりごと」】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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